2013年2月16日土曜日

usse


フランス・ロワール地方の小さなレストラン




紅茶やコーヒーにこのように何種ものお砂糖セットがテーブルに運ばれてきました。



今回ご紹介したいのは、ユッセ城(Chateau d'Usse)です

ロワール河流域中部にあるユッセ城は、
シャルル・ペローの童話「眠れる森の美女」の舞台になったことで、
数あるロワールの城の中でも人気のあるお城です。
のんびりしていたら夕方になってしまいました・・・
でも、それがラッキー、こんな綺麗な夕暮れの写真を撮ることができました。

      



ユッセ城はトゥールから南西に約30キロメートル、
シノンの森に囲まれた小高い丘の上に立ちます。
白亜の壁、とんがり帽子のようないくつもの尖塔、青みを帯びた石板の屋根など、
ロマンティックで、まさにおとぎ話のお城のようです。
城の背後に広がる深いシノンの森がおとぎ話の雰囲気を盛り上げます。  
           

       現在もロワール地方では数少ない個人所有の城となっており、
城主が城の一部に住んでいるそうです。
ユッセ城は2000年に世界遺産に登録されています。


Château d'Ussé



百年戦争の間は、ロワール渓谷が国と国との境であり、
フランスとイギリスが繰り広げた数多くの対決の舞台でした。
城の改築や拡張が行われて巨大な要塞となり、
これが今日も残る城(シャトー)の原型です。
この戦争の間、パリは絶えずイギリス軍の威圧にさらされていたため、
宮廷は長期にわたりトゥールに置かれることになりました。

15 世紀半ばに終戦を迎えると、
ロワール渓谷はフランスに根ざしたヒューマニズムと
ルネサンスにとって理想の地となりました。
この動きの中で特筆すべきは、中世の巨大な要塞の防備が取り払われて、
余暇を過ごすための館へと改造されたことです。

11 世紀、ノルマン人の領主ギュルダン ド ソミュールが現在城のある場所、
フランス北西部のロワール川とアンドレ側の合流地点に木製の要塞を造りました。
次の所有者はこの要塞を石造りに変え、
15 世紀中頃にはビュエイユ伯ジャン 5 世が城を買い上げます。
ビュエイユ伯ジャン 5 世とは、
百年戦争でフランス軍を率いてイギリスに何度も重要な戦いを挑んだ将軍です。
戦争が終わると、ビュエイユ伯ジャンは要塞を威厳のある田園邸宅へと造り替えます。
当時、フランスの領主たちは、似たような邸宅をロワール渓谷中に造っていました。
15 世紀の終わりには、城はフランス国王の顧問、ジャック デビネに売却され、
彼によって城の改築が進められて、庭園の礼拝堂が建てられます。
ジャック デビネの息子のシャルルは礼拝堂と城の建築を続け、
ルネッサンスらしいモチーフと建築様式が加味されます。


この旅は石澤季里さんのPetit Cenacleにお世話になりました。

旅して学ぶフランス貴族の暮らし~カルチャーサロン「プティ・セナクル」